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こんにちは!梅雨入りしましたねー、よしだです!
結構ブログで我が家の工事を見てるよという声をかけてもらい、
「あの状況は大変そうね~」と言われるのですが
早くきれいになったところ見ていただきたい・・・!そんなわけで更新します。
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<3月13日~23日>
さて、屋根葺き替えの翌日から、歪みを見ることに。
あっちゃこっちゃ柱が歪み、建具との隙間にはおじいちゃんお手製の三角(隙間埋め)が…。
とにかく柱の根元と地面が仲良しになっていて、同化しておられます…。
便利なレーザーと下げ振りを使って、ひとつひとつ柱の沈みと傾きを計測します。
根元が腐っている柱は根継ぎを、手遅れの柱は総取替えすることに。
宮大工さんから頂いた古いネジ式ジャッキが大活躍!
(実は自分達でもひとつ新しい油圧ジャッキを購入したのですが、頭が小さくて安定が悪かったのです…)
増線増線でそこらじゅうに張り巡らされた昔の電気配線が
作業の邪魔をします・・・。
早く電気屋さんに取ってもらわんと首を吊ってしまう~・・・。
揚げ前の作業中は、平屋といえど不安定な状態で危険です。
柱を横材で繋いだり、仮筋交いやつっかえ柱を入れながら慎重に進めます。
(今地震が来たらこの家絶対倒れる~)
差し入れパンダ
さて、工事を始めてさっそく!苦渋の選択がありました。
座敷と台所の間の三枚壁がズコッと落ちてるのだが、壁が重すぎて柱が揚がらないとのこと。
台所前の壁には古い腰板が張ってあって、ひょろっとした爪楊枝みたいな丸太柱が2本。
それが小屋みたいな風情で気に入っていました。
でも、壁を壊さないと揚げられない…。ああ…なんか工事が大規模になってゆく…。
む~、むむ~!
家全体の歪みの問題なので、直したい。
結局壁を崩したら腰壁は外れた(板は結構破れたけど…)ので、また後でくっつけてもらうことに。
問題解決と思いきや…
仕切りの壁が抜けてパーパーになった台所と座敷の間に立つ、爪楊枝柱が2本…。
「この柱、どうします?」
どきっ!うーん、その爪楊枝みたいな丸太の柱がね、この家の魅力でね…
しかし私は施主として無理希望を言うだけでなく、建築士として何が良いのか判断しなければならんのでして…
「新しい柱に変えましょか…」
現状の爪楊枝柱は太いところで3寸(9センチ)、梁につく末側では1寸7分(5センチ)ぐらいしかないんではというコンパクトサイズ。
さらに座敷側には柱を見せないという美意識のおかげで柱芯がずれている。
このまま竹小舞を編みなおして3メーター×3メーター以上の1枚壁を作るのは家にとっても私達にとってもしんどい。
でも、細い丸太柱の中に、新材の角柱(爪楊枝の中に割り箸)が立つなんて、家の良さがぶち壊し~うう…むむ…む…
よし!新しい柱を入れましょう!
新しい柱はうちの大黒柱並(笑)の3寸5分角(10.5センチ)であるものの、
TD棟梁の角を落として丸太風に見せるという粋な計らいで、そんなに違和感なく、頼もしく収まった。
京都の町家の標準的な柱は3寸5分角(10.5センチ)。
それを思うと、平屋だとしてもこんなんで家って持つのかと爪楊枝柱を見直さずにはいられない。
さらに豪雪新潟出身大工のTD棟梁には衝撃的だったに違いない。
まさに我が家は茶室、数奇屋、わび、さびの極みですわ…。
(つづく)
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