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Vol.2「愛されないと家はすねる。」

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第2回となりました町子と町男。今回ご紹介するのは、先日
CHOBOメンバー達が飲み会に参加させて頂いた、
GW株式会社代表のサクライシンヤさんのお宅。サクライさんは世界4ヶ国を旅されているが、
やっぱり日本がいいという。そんな彼が住むこの町家は世界に繋がっているとか・・・?
さっそく中を覗いてみましょう。
 
昔の人の感覚はすごい
築80年という郊外型の綺麗な町家。中に入るとす~っとして、すっきり、何だか清涼感漂うお宅である。
お茶の先生やアメリカ人という前の住まい手を経て、愛されて大切に使われてきたことが建物からも伝わってくる。
サクライさんもほとんど改修したところはないそうで、借りた時のまま綺麗に大切に住まわれている。
玄関を開けるとまず目に入るのが、屋内とも外とも言えるような空の見えるアプローチ(玄関庭)と3畳の前室。
「今作られる家はどれだけ部屋を作るかを考えて無駄なくギッチギチに詰め込むようになっている。
この町家を作ったような、昔の人の一見無駄や遊びを考えて作る感覚はスゴイ。」というサクライさんは、
この3畳の部屋に座り、玄関庭を眺め瞑想をしたりするらしい。
一見、使い道もなく寒さの原因にもなるこのスペース。
しかし、何にも変え難い豊かな時間がここでは流れている。

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不思議な出会い
自分を変えたいと悩んでいたサクライさん。自分を変えるキッカケの1つとして町家に住むことを決意。
しかし、ある事情で町家探しにかけられる時間はたったの3日。そんな時に不思議な出会いが・・・。
町家探し1日目、何気なく入った喫茶店で何気なく手にした雑誌には、町家を扱う不動産情報。
さっそくそこに出ていたある不動産会社に連絡すると、すぐに物件を見ることに・・・。そこで出会ったのがこの町家。
中に入ると、風が流れ、何だか気持ちよくて、直感即決1日でヘックション!!
色々な方のお話しを聞くにも、町家や古い家を探すのは、マンション探しとは違い、何か不思議な引き寄せや出会いがあるように思う。
家がその人を呼んでいるような・・・。
休みの日は家でゆっくり
町家は夏のことを考えて作られた家。夏は風が通り抜け1階は涼しく過ごせる。
冬は寒さに耐える忍耐の時期で、またきっとやってくる暖かい春の喜びを有難く感じることができる。
かつてはドラマに出てきそうなデザイナーズマンションにも住んでいた経験もあるというサクライさんは、
町家の気持ちよさを「5月とかは外が天気良くても家で過ごす。庭からすーっと風が入ってきてめちゃくちゃ気持ちいい!
すごいキレイな光が入ってきて、生きている喜びを感じる。そういう喜びは、コンクリートの家では味わえないだろうね。」
と、またもうすぐやってくる春を楽しみにしているように語る。
確かに、この庭を眺めながらゆっくり過ごす休日は格別な贅沢であるに違いない。
またぽかぽか陽気になったら、休日ゆっくりしにお邪魔したいな~


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家は生きている
こんな話しがある。『ある町家の解体が決まった。すると、急に今まで埃など溜まらなかった所に埃が溜まり出し、色々な所にガタが出始めた。』
自分の解体が決まった家は、自分の役割の終わりを感じ取り、力が抜け・・・気が抜け・・・元気がなくなり・・・自分の最後を待ったのだろう。
不思議な話しではあるが、本当に家は生きているのだ。
家の気持ちになると涙が出そうなくらい悲しい話ではあるが、この話しを聞くと家を大切にしようと思う。
サクライさんもこう言う。
「人が住まなくなると家はダメになるってよく言うけど、ほんとにそうなんだなって思う。この子
()は、俺が帰ってこないと寂しがる。
人がたくさん遊びに来ると家が生き生きしてくる。何か波動みたいなものが伝わるんだろうね、生きてるよね。」
愛らしい家を眺めながら家に語りかけるように話す。家を大切に思っていて可愛いんだな・・・と感じる。こんな風に愛されている家は幸せだろう。
みなさんも、家にもっともっと愛情注ぎましょう!
出かける時は家に「行ってきます」、帰ったら「ただいま」から始めましょう!「ありがとう、家子家男」ですよ!
もう家は家ではないな・・・人と一緒やな。人やな、人。
(ここだけ関西弁。何か書いてて盛り上がってしまった。)
あなたの家も生きてますよ!あなたの気持ちを感じてますよ。あなたの気持ちに応えてくれますよ!

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世界に発信!
2階は、日本と世界の相互理解を目指す『GW株式会社』の事務所として使われている。その事業の1つである『職人.com』は、
日本の職人の作った作品を、インターネット上で世界で販売している。
生産が間に合わず、職人からストップがかかるほど世界から反応があるらしい。
ここから世界に発信されてますよ~!!
GW株式会社のもう1つの新事業、『カフェありか』。カフェありかは食の分野で世界に発信していくようだ。
ここも町家です
みなさまも是非行かれてください!牛スジカレーが旨いとか
今後も、GW株式会社は色々なことを構想中。100の事業を目標とされているそう。

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世界を旅すればするほど日本の愛しさを感じてきているサクライさん。
愛する日本と世界との相互理解を目指し活動されている。
これからも、この愛する町家と会話し、癒され、元気をもらい・・・
町家で日本の良さを感じ取り、それを世界に向けていかれることでしょう。
町家も世界に発信していってくださいね。楽しみにしています。

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町家とは
「愛人」である。
こいつは愛情をかけないと、しょぼくれる。
櫻井慎也
じょうゆきを
写真よしだれな(一部住まい手提供)
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Vol.1「人の集まる家が好き。」



第一回でご紹介する町子さんはCHOBOのメンバーでおなじみのタカイナツコさん。
京都・西陣の路地奥長屋に中学からの女友達とルームシェアをして暮らしている。
勤め先も中京区の築100年以上経つ町家を改修した大学の校舎で、町家の未来を担う若人のひとりだ。
彼女が町家に惹かれる理由は何だろうか?

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間取りにひとめぼれ
ひょっとすれば気付かず通りすぎてしまいそうな路地、機織長屋が並ぶ中のタカイさんの住まいを訪ねた。
実物を見ずに不動産屋で平面図を見て即決したという住まいは、
真ん中に土間の玄関があり、両側に階段がふたつという不思議な間取り。
「家の中に段差があるのも魅力」とタカイさんは笑う。
大きな吹き抜けは、大きな織機があった頃の名残でこの地域では珍しくないそう。
二階の屋根裏部屋から下の階が見下ろせ、同居人との会話が弾む。
一軒家である町家を選んだのはなぜなのか。
「学生時代もメゾネットタイプのマンスリーマンションに住んでたことがあったけど、
 大家さんの顔が見えなかったり、住人の入れ替えが激しかったりと落ち着かなくて。
 いつか京都に腰を据えて暮らしたいと思っていた。その土地に根づく生活を求めてたんやと思う。」



引っ越した我が家には以前の住人の痕跡が残っていた。
「始めてここに来たとき、カーテンレールが変なところについてたり、物が残っていたり…、
 怖いかもしれんけど(笑)、前の人の思いを引き継いでいる感じがした。
 どんな人が住んでいたのか想像するのもおもしろい。普通のマンションだったらありえない。
 貸すとなったら清掃業者が入ってきれいにしなあかんもんね。」


「町家」というデザインが人に優しい暮らしを作る
大学時代は住環境デザイン学科で「住む環境」の大切さについて勉強していたタカイさん。
どれだけ人に影響を与える環境のデザインを考えられるかと悩んだ結果、
町家が人に対してとても優しく、理想的なデザインをしている事に気づいたのだという。
「それが町家に惹かれたキッカケかも。住む人と家の関係を築いていきたいと思って。
 土間があって、ミセの間で人とのやわらかなコミュニケーションがあるような。
 昔から体感するのがモットー。住んでみないと分からないから、ちゃんと住んでみようと思った。」


人が集まる家にしたい
「この家に来るとみんなおばあちゃんちみたいで落ち着くって言う。
 みんながみんな、おばあちゃんちがこんなのじゃないと思うけど、
 どっかで町家は日本人の感性とか、遺伝子の
おばあちゃんの部分をくすぐってるんちゃうかな。」
タカイさんの理想の家は常に人が集まってわいわいしている家。鍋や飲み会はいつもここに集合。
「たくさん人が集まった日はご近所さんに迷惑かけてないか意識するようになったかな。
 路地の人と顔を合わせたら必ず挨拶する。マンション暮らしの時は全然人の存在なんて気にしてなかったなぁ…
 めんどくさいと思うかもしれないけど、人の存在を感じるのはすごく人間らしい暮らし。」
今日も気の置けない仲間達の笑い声がたえない。
こんな毎日を重ねて、彼女は大好きな家との楽しい関係をこれからも探してゆくのだろう。


 
文・写真●よしだれな
にぎやかし●じゃがいもジョー

 

 

その他の町子町男ーズ

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